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パクリタキセルは、様々ながんの治療に用いられている抗がん剤の1つ

パクリタキセル注射剤(アブラキサン)とは、抗がん剤の一種であり、パクリタキセルの安全性と有効性を改善する目的で開発されました。

アブラキサンはナノ粒子製剤であり、有効成分であるパクリタキセルを人血清アルブミンに結合させることによって、凍結乾燥製剤化を実現しました。

パクリタキセルは、様々ながんの治療に用いられている抗がん剤の1つであり、「イチイ」という庭木としても知られている植物に含まれている成分から合成されて作られた薬剤です。

この「イチイ」という植物は日本全国に自生していて、その果実は赤色で味は甘く、食べることができます。

パクリタキセルは「微小管」と呼ばれる、細胞分裂の際に重要な働きをする物質の作用を阻害するという特徴を持っています。

がん細胞は、通常の細胞と比べて細胞分裂が活発であることから、細胞分裂のスピードが速いがん細胞に対して、高い毒性を示すようになります。

パクリタキセルを有効成分とする製品には、タキソールとアブラキサンという2つの注射剤があり、この2つのうち、タキソールが先に発売されました。

ただ、タキソールにはアルコール分が含まれているという問題点があります。

実は、パクリタキセルには非常に水に溶けにくいという性質があり、水にだけ溶かして点滴として投与するということができないため、パクリタキセルを何とか溶かすためにアルコールが添加されているのです。

パクリタキセルの一般的な投与方法においては、1回の投与で約300mg程度のパクリタキセルを使用することが多くなっています。

そして、この約300mg程度のパクリタキセルに含まれるアルコールは、おおよそビール500mlの相当する量であるとされています。

そのため、タキソールによる治療法は、お酒に弱い患者にとっては辛い治療となってしまいます。

また、タキソールによる治療後に患者自身で運転すると飲酒運転になってしまうため、タキソールによる治療を行う時は車で病院に行くことができなくなってしまいます。

タキソールのこのようなデメリットを解消するために、タキソールの後に開発された薬剤がアブラキサンとなります。

アブラキサンは、水に溶けにくいパクリタキセルをアルブミンというタンパク質と結合させることによって、水に溶けやすい性質を持たせることに成功しました。

したがって、水に溶かして点滴することが可能となったため、アルコールを添加する必要がなくなり、これによって過敏症発生のリスクを減らしたり、点滴の実施時間を短縮することができるというメリットが生まれています。

アブラキサンの適応となっているがんは、乳がん、胃がん、非小細胞肺がん、膵がんとなっています。

また、タキソールとアブラキサンでの治療効果の優劣について、その比較をした研究も行われているようですが、特に大きな違いは見うけられないようです。

ただ、これは非小細胞肺がんを対象にした臨床研究であるため、他の種類のがんでの結果は出ておらず、まだ不透明な部分も多いようです。

ただ、最近の研究で進行性の膵がんについて、アブラキサンが有効であるということが分かったため、これまで使用されていた「ゲムシタビン」とアブラキサンを併用して治療するケースも増えてきているようです。

アブラキサンは世に出てから、それほど時間が経っていない薬であるため、この膵がんの他にも新しく有効ながんの種類が見つかる可能性もありますので、今後の研究に期待しましょう。

アブラキサンの副作用としては、前述の過敏症が発生しにくいという点以外はパクリタキセルと同じような副作用が発生します。

その代表的なものでは、末梢神経障害があり投与された患者の約40%に発生するとされています。

その症状としては、手足のしびれが主であり、さらに薬の投与を中止しても症状が長期間残ってしまうということもあります。

この症状がという方は、治療を開始する前に担当の医師とよく話し合って治療方針を決定するようにしましょう。

【まとめ】植物アルカロイド一覧

パクリタキセル注射剤(アブラキサン)
>>様々ながんの治療に用いられている抗がん剤の1つ

ビンブラスチン(エクザール)
>>微小管阻害薬に分類されている抗がん剤の1つ

ビンデシン(フィルデシン)
>>細胞分裂において重要な役割を果たしている微小管の働きを阻害する抗がん剤

ビンクリスチン(オンコビン)
>>多発性骨髄腫、白血病、悪性リンパ腫等の血液の悪性腫瘍の治療に用いられる植物アルカロイド

ビノレルビン(ナベルビン)
>>手術不能もしくは再発してしまった乳がんに対しても用いられる植物アルカロイド

パクリタキセル(タキソール)
>>イチイ科の植物から抽出された成分を使って作られた抗がん剤

ドセタキセル(タキソテール)
>>パクリタキセルと名称が似ていて、作用機序も同様だが抗腫瘍効果も高い場合も。

ノギテカン(ハイカムチン)
>>小細胞肺がんや、がん化学療法後に悪化した卵巣がんの治療に使用される抗がん剤

ソブゾキサン(ペラゾリン)
>>成人T細胞白血病リンパ腫や悪性リンパ腫の治療に使用される抗がん剤

エリブリン(ハラヴェン)
>>再発または手術不能の乳がんに使用される抗がん剤

エトポシド(ベプシド、ラステッド)
>>北アメリカのメギ科の植物の根から抽出した抗がん剤

イリノテカン(カンプト、トポテシン)
>>卵巣がん、子宮がん、乳がんや進行再発胃がん、また、肺がんや大腸がん等の幅広いがんに適用される抗がん剤




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